絶滅生物名鑑

名称 ドードー

大航海時代の1507年、ポルトガル人によってエクアドル・マスカリン諸島が発見された。同時に、飛べない巨鳥ドードーも。
全長が1mあったドードーは、飛べないだけではなく、走ることもまともにできなかった。外界と隔絶された島の環境が、生存競争というものを発生させなかった。翼は退化し、体は大型化して、のんびりとした性格の生き物が出来上がった。

ドードーの名前の由来は鳴き声からつけられたという説と、ポルトガル語の「まぬけ(duodo)」をもじってつけられたという説がある。だとすれば、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」にでてくるドードーがとんちんかんで鈍いキャラクターになってるのは、キャロルの創作というよりは、元からあったドードーのイメージを受け継いでのこととなる。

事実、ドードーは俊敏さや賢明さを全く示さなかった。飢えた船乗りをまったく警戒もせず、簡単に捕らえられたということだ。もっとも、肉は食用としてあまり美味ではなかったらしい。後にはヨーロッパでの見世物用としても捕獲された。海を渡ったドードーは、王侯貴族の邸宅で飼育された。太った鳥というイメージは、そのときに餌をたらふく食わされてしまったペットのドードーからで、もともとのドードーは痩せていたという主張もある。

人間は成鳥のドードーしか食べなかったが、人間が持ち込んだ、犬、豚、猿、ネズミなどの家畜やペットの動物達は、ドードーの卵や雛を食べ荒らした。発見から100年後にはまだ島のいたるところに見かけられたドードーだったが、その後数十年で完全に絶滅してしまう。
最後の目撃記録は1681年。発見から180年もたなかった。恵まれた環境で独自の進化をとげたおっとりのドードーには、野蛮な人間と共存できるはずもなかった。

【PR】世界の名探偵・・・現役探偵が作った「世界の名探偵」をご紹介!