絶滅生物名鑑

名称 マンモス

マンモスと聞いて知らない人はいないだろう。博物館などでその大きな牙や骨格のレプリカを見たことがないだろうか。愛知万博ではマンモスラボと名づけられた展示があった。冷凍展示されたマンモスの骨格は、万博の目玉の一つとして注目を集めていた。

マンモスが現れたのは約500〜400万年前といわれる。共通の祖先より、インドゾウ、アフリカゾウ、マンモスの3つの系統に分かれた時期からだ。印象的な牙は、もっとも巨大なものでは長さ5m近くにもなる。

マンモスは地球上の広い地域で適応した。寒帯から温帯、暖帯に生息。日本でも化石が発見されている。ムカシマンモスは約100万年前後に日本に生息した。その子孫と考えられるケナガマンモスは、全身を長い毛で覆っていた。ケナガマンモスは、北海道でも発見されている。
多くのイラストで描かれるマンモスは、このケナガマンモスをモデルにしたものが多い。

マンモスは、サーベルタイガー(スミロドン)とほとんど同時期、約1万年前に絶滅した。マンモス絶滅の原因は環境の激変説が有力視されているらしい。(ほどんどの動物の絶滅原因挙げられる理由ではあるけど)

厳寒の氷河期の気候にも適応し、繁栄したマンモスだったが、その後の気温上昇には対応することができなかった。多くのマンモスが住むシベリヤ。それまで餌となる草木を茂らせていた乾燥した大地だったそこは、雪の降り積もる不毛の大地へと変貌してしまった。

スミロドンの所でも取り上げたが、人類もマンモスの絶滅に一役買っていたらしい。マンモスの化石には、骨と骨の間に、石槍の穂先が発見されているし、マンモスの描かれた洞窟壁画や、マンモスの骨でつくられた住居跡も発見されている。

自然界から突出してしまった人類の知能は、この頃から自分達よりもはるかに大きな動物を含む生態系に影響を与えていたのだ。

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