絶滅生物名鑑

名称 メガラシネ

全長が60cmもある、クモのような節足動物。巨大トンボの次は巨大クモもどきの登場だ。もどき、とつけたのは実は海サソリの仲間だと考えられているから。最初に発見された化石がクモによく似て見えたために、当時は史上最大のクモと紹介されていたらしい。

現在存在している中で日本最大のクモであるオオジョロウグモ(体長50mm、足をあわせた全長は手の平サイズ)でさえ、ツバメを捕食していたという記録があるくらいだから、60cmもあるクモ(クモじゃないんだけど)が今実際に存在したとしたら、人間なんて餌同然だ。

本当は海サソリの仲間のメガラシネは沼沢地などの湿地帯に住んで、もちろん網をつくることもなく、ザリガニみたいな生活をしていたらしい。ザリガニとしても60cmはかなりの恐怖だが。

メガラシネは、メガネウラと同時代の石炭紀に生息していた。この石炭紀は、昆虫と両生類の栄えた時期で、爬虫類が地球史に登場する時期。
石炭紀には、メガネウラ、メガラシネだけではなく、多くの巨大昆虫、巨大節足動物が存在していた。地球は彼らのたてるガサガサゴソゴソという音で溢れていたのだ。

その理由は明確には分かっていないが、1年中温暖湿潤で安定した気候と、彼らを食う天敵が少ない状況が巨大化の誘引らしい。
巨大昆虫、巨大節足動物は、石炭紀の終わりの氷河期到来まで繁栄し、やがて絶滅することとなる。

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